マナーやご作法
香典袋を包む小さな風呂敷のような布を「袱紗(ふくさ)」といいます。
「見たことはあるけれど使い方がよくわからない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は袱紗の種類や包み方、さらに渡すときのマナーについてもご紹介します。
袱紗は弔事だけではなく慶事でも使われるもの。包み方も渡し方も弔事と慶事では真逆になります。
知らず知らずのうちにマナー違反になっていた、ということのないよう、この機会にしっかりおさらいしておきましょう。
この記事でわかることは以下の4つです。
- ・袱紗とは何か
- ・袱紗の種類や特徴について
- ・弔事の場合の袱紗の包み方
- ・袱紗に包んだ香典の渡し方マナー
袱紗(ふくさ)の役割とは
袱紗とは祝儀袋や不祝儀袋を包む四角い布のことです。
絹やちりめん素材のものが多く、小さい風呂敷のような形状で四隅を折り込んで包むタイプと、ちょうど香典袋くらいのサイズで挟み込むタイプがあります。
慶事と弔事、どちらにも使われる袱紗ですが、慶事は右開き、弔事は左開きが基本です。
香典を渡す相手に敬意を示すという意味も含まれている袱紗。
袱紗に包むことで弔意・悲しみを表現することができます。(慶事の場合は祝意・喜びを表現)
また繊細な水引が折れたり曲がったりすることを防ぐことができるという、実用的な側面もあります。
袱紗の種類
袱紗の種類や、それぞれの形状の特徴についてご説明しましょう。
袱紗の形状は2種類に分かれる
袱紗の形状は大きく分けて「挟むタイプ」と「包むタイプ」の2種類に分かれます。
挟むタイプは「金封袱紗(きんぷうふくさ)」と呼ばれる袱紗になります。
一方、包むタイプは「風呂敷袱紗」と「爪付き袱紗」、「台付き袱紗」の3種類があります。
香典として包む金額が3万円以内であれば「金封袱紗」、3万円以上であれば「風呂敷袱紗」など包むタイプを使いましょう。
金封袱紗(きんぷうふくさ)
香典を挟み込むタイプの袱紗が金封袱紗(きんぷうふくさ)です。
包む金額が3万円以下のときに使われる袱紗になります。
金封袱紗は香典袋とほぼ同等のサイズ感で、左開きにできる本のような形状。
開くと右サイドに浅めのポケットがあり、そこに香典袋を挟んで閉じて使います。
慶事の場合の金封袱紗は右開き。左右を間違えてしまうと大変失礼に当たりますので気を付けましょう。
包む手間がありませんし、カバンやポケットにサッと入れられるため若い方にも人気のタイプです。
しかし金封袱紗を簡易的な袱紗と感じられる方もいらっしゃいます。
目上の方の葬儀には包むタイプの袱紗を使用するなどして使い分けましょう。
風呂敷袱紗
風呂敷を小型にしたような形状の袱紗が風呂敷袱紗。
こちらの袱紗は香典を3万円以上包むときに使われるタイプです。
風呂敷袱紗は香典を真ん中くらいに置き、四隅を折り畳んで使用します。
香典を取り出して渡すときに包みをほどきやすい点がメリットでしょう。
爪付き袱紗
風呂敷袱紗の形状ですが、四つ角の1つに爪がついていて引っ掛けられるタイプが爪付き袱紗です。
爪でしっかり留めることでカバンの中に入れても崩れず保てます。
爪付き袱紗も香典を3万円以上包むときに使用しましょう。
台付き袱紗
風呂敷袱紗の内側に、香典袋を置く台があらかじめ付いているタイプの袱紗です。
台はゴムなどで固定されているため、香典を置く場所がわかりやすい仕様になっています。
実は香典を渡す際は、お盆にのせて受け取っていただくのが正式なマナー。
台付き袱紗は正式なマナーに限りなく近いため、相手に丁寧な印象を与えられるでしょう。
こちらも3万円以上の香典を包むときに使用してください。
また香典だけではなく、お布施も袱紗に包んで渡すのが基本です。
家族葬のお布施の相場については以下の記事も参考になさってください。
弔事は寒色系の袱紗を使用する
袱紗にはさまざまな色がありますが、弔事で使用する袱紗は寒色が基本です。
紺や灰、うぐいす色などの落ち着いた色味の袱紗を使用しましょう。
朱色や橙色、桃色などは慶事で使われる袱紗ですので避けてください。
また刺繡がついている袱紗も販売されていますが、こちらも慶事で使う袱紗。
弔事の袱紗は無地が基本です。
紫色は弔事と慶事、どちらでも使用できますので1つ持っていると便利でしょう。
なるべく濃い色味の紫色がおすすめです。
袱紗の包み方とポイント
香典の包み方についてご説明します。
まず袱紗の裏面を上にして香典を置きます。このとき、真ん中より少し右側に置くと包みやすいですよ。
続いて四隅を折り畳んでいきますが、香典の場合は「右→下→上→左」の順番を守ってください。(慶事は全く逆になります)
最後、左側を畳んで余った部分は後ろへ折り込んで整えます。
爪付きの場合は裏側に爪を引っ掛ける留め糸がありますのでそちらへかけましょう。
袱紗に包んだ香典を渡すときの流れ・マナーについて
葬儀会場での香典の渡し方についてご説明します。
挟むタイプも包むタイプも香典袋を取り出して袱紗の上に乗せ、反時計回りに回転させて渡す動作は共通です。
香典の渡し方の流れ
- ①「この度はご愁傷さまでした」とお悔やみの言葉を述べる
- ②袱紗から香典を取り出し袱紗の上に置く。このとき、自身が香典の表書きを読める向きに置く
- ③右手で香典の上方を持ち、右回り(反時計回り)で回転させてご遺族の方が文字を読める向きにする
- ④「ご霊前(御仏前)にお供えください」と一言添えて差し出す
※慶事の場合は左回り(時計回り)になるため、間違えないようにしてください。
右手で香典を持つことで自然と右回りになりますので、ポイントとして覚えておきましょう。
突然の訃報で袱紗が用意できない…どうする?
「急な葬儀で香典を持参したいけれど、袱紗がない…」
このようなときは無地の大判ハンカチや風呂敷を使用しても問題ありません。
ただし色味は寒色系に近いものが良いでしょう。
きちんとした袱紗でなくても、包んで持参することでお悔やみの気持ちを示すことができます。
ちなみに袱紗を購入したいときは仏壇店などの専門店以外でも、百貨店やホームセンターなどで購入できますよ。
また100円ショップでも販売していますので、いざというときのためにあらかじめ用意しておくと安心です。
まとめ
- ・香典を渡す際は袱紗(ふくさ)に包んで持参するのが正式なマナー
- ・香典が3万円以下なら挟むタイプの金封袱紗、3万円以上なら爪付き袱紗や台付き袱紗などの包むタイプを使用する
- ・弔事の袱紗は紺・灰・うぐいす色など無地で寒色系を選ぶ
- ・包むタイプの袱紗は香典袋を真ん中よりやや右置きに置き、「右→下→上→左」の順に折りたたむ
- ・香典を渡すときは袱紗から取り出し、右手で持って反時計回りにして受け取ってもらう
- ・袱紗がない場合は無地の大判ハンカチや風呂敷でも問題ない
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